2003年9月16日の東海道新幹線100系ラストラン「ひかり309号」(G49編成)の予備編成として、同様の側面装飾が施されていたG47編成。当日はG49編成が無事走行したため予備編成としての出番はなく、2004年2月2日に側面装飾を残したまま浜松工場へと廃車回送された。この回送が、東京~浜松間における100系新幹線最後の走行となった。
当時中学3年生だった私にとって、6907Aは学業と両立できる絶妙なスジであった。6907Aの静岡駅通過時刻は朝8時05分、中学校の登校時刻が朝8時15分。この間の10分で約2kmの道のりを全力疾走すれば、誰にも怒られず迷惑も掛けないで済む…。2003年9月16日のラストラン「ひかり309号」は平日で見に行くことができなかったこともあり、以後2回の下り廃車回送(6907A)は絶対に撮影しようと意気込んでいた。駅から中学校まで信号機を避けた最短ルートを考え、事前に実際に全力疾走してタイムを計り、計画が実現可能であることを確認した上で当日を迎えた。撮影後は写真を見直す間もなく全力疾走し、中学校の校門をくぐったのは朝8時14分であった。計画通り!この写真を見る度、あの朝の満足感と息切れによる苦しさが蘇る。