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802円航空券で熊本・鹿児島の旅 ~3日目~

2017年5月、Jetstarのセールで入手した802円航空券を使い、2泊3日で熊本・鹿児島を旅してきました。
1日目は熊本市内を散策2日目は肥薩線を移動しながら人吉・鹿児島市内を観光。最終日の今日は、肥薩おれんじ鉄道経由で熊本に戻るルート。
時間は割とあるが、途中どこで降りるかは何も決まっていない…

たんかんジュース

朝ごはんに、昨日城山観光ホテルで購入した「たんかんジュース」を飲む。旨い!

鹿児島中央駅でひと悶着…

昨日、熊本駅で購入した乗車券は、2日間有効の「熊本⇒(鹿)川内」(経由:鹿児島線・肥薩・日豊・鹿児島線)。この乗車券を使い、途中下車をしながら鹿児島中央駅までやってきた。そして、このあとも引き続き川内駅まではこの乗車券を使うことができる。
そこで、その先、川内駅から肥薩おれんじ鉄道経由で熊本駅に戻る乗車券を購入するため、鹿児島中央駅みどりの窓口へ。しかし、これが思わぬトラブルとなってしまう…。
川内~八代間は第三セクターである肥薩おれんじ鉄道となるために注意が必要である。事前にネットで調べた限りでは川内~八代~熊本の連絡乗車券の発券は可能であり、かつ、合計で合計101営業キロを超えれば途中下車が可能である、というのが私の認識だった。
…が、窓口の若い駅員さんに確認をすると顔をしかめてしまい「恐らくその区間では発券できず、途中下車もNG」とのこと。厳密なルールは駅員さんも把握していなかったため色々な資料を確認して頂いたのだが、なかなか答えに辿り着かない。
気付けば15分が経過…電車に乗る前に売店でさつま揚げを買いたかったので、とりあえず手持ちの乗車券で川内駅まで行く旨を伝えたのだが、駅員さんも引けなくなってしまったのか「もう少し調べさせて欲しい」という。
そして、ついに乗車予定の列車が出発する5分前。調べた結果をスマホか川内駅に連絡してくれるというので、電話番号を伝えてみどりの窓口を後にした。

ここからが大急ぎ!(この旅で4回目)
駅売店で売っているさつま揚げを、値段もメニューもロクに見ないでサクッと購入し、ホームへダッシュ。なんとか間に合った…これ逃したら1時間待ちになるところだった…

817系@鹿児島中央駅

鹿児島中央駅にて。817系に乗って川内へ向かう。


玖子貴のさつま揚げ

鹿児島中央駅構内「玖子貴(きゅうじき)」さんで買ったさつま揚げ。美味しい!

鹿児島中央929-(鹿児島本線 2436M)-川内1018

川内駅

川内駅。同じホームだけど、中央でJRと肥薩おれんじ鉄道の線路が分断されていた

10時18分、川内駅到着。
さて、鹿児島中央駅で先送りにした問題を解決しなくてはならない。乗り換え時間5分で、次のきっぷを買わなくてはならないのだ。
が、スマホを開くも鹿児島中央駅からの連絡は無し。川内駅の駅員さんに事情を伝えるも、何の連絡も入っていないという。窓口で親身になって対応してくれた若い駅員さんの顔がよみがえる。駅員さん自ら連絡先を要求しておいて、この結果…何だか裏切られた気分で悲しくなった。
…その矢先、目の前にあったポップが目に飛び込んだ。

肥薩おれんじ鉄道「わくわく切符」

肥薩おれんじ鉄道「わくわく切符」

土日祝のみ発売されるという「わくわく切符」、1日乗り降り自由で大人2,000円。川内~八代の片道普通運賃(2,620円)より圧倒的に安いじゃないか…!
迷わず購入。さっきまで電車の中で運輸規定を調べてた自分がアホらしくなってくる。
もちろん、川内~八代~熊本の連絡乗車券が買えるのか否か正解は知りたいし、連絡してこない鹿児島中央駅の駅員も良くないと思うけど、ここでイライラしても仕方ないので一旦忘れよう…

JR乗車券と肥薩おれんじ鉄道わくわく切符

これで肥薩おれんじ鉄道線内を自由に途中下車できる!結果的にはこれが最適解であった。

車内では最後部に被りつき、景色を眺めつつスマホで沿線情報をリサーチ。

肥薩おれんじ鉄道車内から見た東シナ海

窓の外には青空と東シナ海の絶景が広がっていた

阿久根散策と、ウニ丼

肥薩おれんじ鉄道の車内で沿線情報を調べているときに見つけたのが、阿久根市の名産だという「ウニ」。
毎年この時期は「阿久根ウニ丼祭り」を開催していて、市内各店舗でウニ丼を提供しているそうなのだが、今年は1週間前に終了しているよう…
しかし、一部店舗ではまだ暫くはウニ丼を提供してくれるみたい!
…ということで、ウニ丼目指して肥薩大川駅で途中下車。

川内1023-(肥薩おれんじ鉄道 6128D)-薩摩大川1048

薩摩大川駅の駅前

薩摩大川駅の駅前…何もない…

薩摩大川駅から徒歩10分程のところに道の駅があるようなので、そこへ向かってみることにした。
晴天の空の下、長閑な田舎道。遠くから波の音が聞こえて、まるで映画のワンシーンのよう。歩いているだけで心地よい。
途中、きびなご工場の前を通ると、作業の様子をじっと見守る猫を見つけた。きっときびなごが欲しいんだろうな。可愛くって、パシャパシャとシャッターを切った。

きびなご工場をじっと眺める猫

きびなご工場をじっと眺める猫。

海に面した国道3号線に出ると、すぐ先に「道の駅 阿久根」が見えた。うに丼!うに丼!!

道の駅阿久根のうに丼(小)

うに丼(小) うに40g 1,500円

新鮮なうには甘くて美味しいなぁー!だけど、かつて北海道・稚内で食ったうにと比べると、北海道の時の方が感動したかも。
次の列車まで時間があるので、道の駅の脇から海岸へ降りて散歩。

道の駅阿久根付近の浜

ただただ美しい。夕陽が沈むのを見るのも綺麗だろうなぁ。

阿久根市はボンタンも名産だそうで、道の駅の売店で「文旦かるかん饅頭」なるものを買ってみた。肥薩大川駅で列車を待つ間に一つ食べてみると、さわやかな香りが広がってなんとも美味しい!阿久根市万歳!!

文旦かるかん饅頭

文旦かるかん饅頭

11時53分、薩摩大川駅から出水行に乗車。
ここから先は線路が内陸に入ってしまうので海を臨むことはできず、スマホで次の目的地探し。
水俣市の「湯の児温泉」が、東シナ海の絶景を臨める温泉のようだ。駅からだいぶ距離があるものの、水俣駅でレンタサイクルを借りれることもわかった。
ということで、次は水俣駅で途中下車し、レンタサイクルで湯の児温泉を目指すことに!

薩摩大川1153-(肥薩おれんじ鉄道 6330D)-出水1229/33-(肥薩おれんじ鉄道)-水俣1251

水俣市で、水俣病を学ぶ

水俣駅

水俣駅

12時51分、水俣駅に到着。
レンタサイクルはどこだろう?見当たらないので、地元民とのおしゃべりに夢中な改札の駅員さんに尋ねてみると…
駅員さん「あぁ、ありませんよ?今、故障中だからね!」
ぶっきらぼうな口調で、さも当然のように言ってのける駅員。あなたの会社のWebサイトにレンタサイクルがあるって書いてあるから降りたんですケド…
自分「他にレンタサイクル借りれるところってあります?」
募るイライラを押し殺し尋ねてみると…
駅員「ここから1.5kmぐらい歩くと市のレンタサイクルがあるよ。…あ、今借りれるかは知らないけどね!」
そんなに遠いなら電話で確認くらいしてくれたら嬉しいんけどなぁ…と思いつつ、呆れてしまってそれ以上は何も聞かずに駅を出た。振り返ると、駅員はさっきの地元民とおしゃべりの続き。このユルさが田舎の良さという見方もできるが、客は大切にして欲しい。
市役所に確認の電話をしてみるが土曜日ということもあって繋がらず、ひとまず1.5km離れた「エコパーク水俣」まで歩くことにした。

エコパーク水俣のバラ園

エコパーク水俣。バラ園が最盛期で、催し物で賑わっていた。


くまモン

あっ、くまモンだ!この後、この姿のままワゴン車の荷台に転がり込み運ばれて行きました…

インフォメーションセンターの方にレンタサイクルについて尋ねると、チャイルドシート付のものなら1台あると言う。…が、そんなことよりも、自転車で湯の児温泉に行くのは峠を越えなければならず遠すぎると言われてしまった。
確かに、気付けばここに来るまでにだいぶ時間を使ってしまい、次に乗る列車まで2時間を切っている。湯の児温泉は諦めよう。。。
代わりに見どころがあるか尋ねると、バラ園をお勧めされた。う~ん…今そこ通ってきたばかり…

熊本名物のサラダちくわ

屋台で熊本名物「サラダちくわ」を買って一休み…途方に暮れる…

2時間をどう過ごすか途方に暮れて近くの看板を見上げると、近くに「水俣病資料館」なるものがあるという。市民の方には申し訳ないが「水俣」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、学校で習った「水俣病」だ。
折角の機会なので理解を深めようと、水俣病資料館へと向かった。

水俣病資料館

水俣病資料館。入館料は無料。

一言で感想を言うと、とても充実した見学だった。
工場によって町の経済が潤っていた現実、病気の原因がわからずに対応が遅れてしまったこと、一方で原因がわかっても直ぐに停められない立場の人、そして差別…この公害の背景がよくわかった。自分が漁師だったら、あるいは工場職員だったら、どんな対応ができるだろうか…と考えさせられた。
館内では患者の方の映像が流れていたが、観ていたら立っているのが辛く、少し気分が悪くなってしまった。そのくらいショックが大きく、公害の恐ろしさがよくわかるものだった。
そして、見学を終えて気づいたのが、さっきから歩き回ってるこの広い公園敷地「エコパーク水俣」が、汚染された港湾を埋め立てた場所であったこと。すぐ傍で稼働している工場がかつて水俣病を引き起こした工場であり、関連会社となって今も稼働していること。
気付いたら列車の発車まで残り30分、駅までは2.4km。もう少しじっくり見たい気持ちを抑え、資料館を後にした。

駅までの帰り道、Google地図が示す最短ルートで細い道を歩いていると、目の前に見覚えのある水門が現れた。
まさに、さっき資料館で学んだ「百間排水口」そのものだった。かつて、この排水口から大量(70~150トン)の水銀が海に流れ出ていた、水俣病の原点といえる場所。
ふと、資料館に展示されていた当時の方の証言を思い出した。この排水口から、原色の座布団大の塊がボトボト流れ出ていたそうだ。想像すると恐ろしいが、一方で、今これだけ澄んだ水が流れ出ているのは素晴らしい事なのだろう。
偶然ではあったが、非常に良いものを見ることができた。

百間排水口

百間排水口

旅の最後に、熊本ラーメン

水俣15時20分発、快速スーパーおれんじ4号に乗車。これで、JR鹿児島本線に直通し熊本まで行くことができる。
途中、線路は再び海沿いを走り、岸壁ギリギリまで接近する。夢中になってシャッターを切った。

肥薩おれんじ鉄道の車窓

台風でも来たらすぐ停まりそう…


肥薩おれんじ鉄道の球磨川橋梁

球磨川橋梁を越えると、昨日通った肥薩線とクロスする


八代駅での乗務員交代

八代駅にて、肥薩おれんじ鉄道とJR九州の運転士さんが交代。

水俣1520-(肥薩おれんじ鉄道・鹿児島本線 8206D)-熊本1640

帰りの飛行機の時刻を考えると、熊本駅周辺に滞在できるのは僅か40分。旅の最後に熊本ラーメンを食べようと、熊本駅から徒歩15分の有名店「黒亭」へ。
熊本ラーメンの特徴、焦がしニンニクが食欲をそそる!

黒亭のラーメンと玉子トッピング

黒亭のラーメンと玉子トッピング

サクッと食べ終えて駅へ戻り、ここからリムジンバスで阿蘇くまもと空港へ。

熊本駅前1720-(産交リムジンバス)-阿蘇くまもと空港1821

お土産を買って、搭乗口へ向かう。

熊本空港にて、ジェットスターGK610便

夕陽に照らされる機体が美しかった

19時10分、Jetstar GK610便 成田空港行は定刻で出発。
熊本・鹿児島に別れを告げて、成田空港へと戻ったのでした。

交通費まとめ

自宅から成田空港までの交通費を除いて、3日間で約14,000円。ジェットスターのセールは使えるなぁ!ありがたい、またぜひチャレンジしよう。

ジェットスター 成田空港~阿蘇くまもと空港 ¥1,682
空港ライナー 阿蘇くまもと空港~肥後大津 ¥0
JR 肥後大津~新水前寺 ¥370
熊本市電 新水前寺駅前~熊本城・市役所前 ¥170
熊本市電 熊本駅前~花畑町 ¥170
熊本市電 花畑町~熊本駅前 ¥170
JR 熊本~(隼人)~(鹿)川内 ¥4,750
JR特急券 いさぶろう1号(熊本~人吉) ¥1,450
肥薩おれんじ鉄道 わくわく切符(全線1日乗り放題) ¥2,000
JR 八代~熊本 ¥740
産交バス 熊本駅前~阿蘇くまもと空港 ¥800
ジェットスター 阿蘇くまもと空港~成田空港 ¥1,682
合計 ¥13,984

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